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損保ジャパン東郷青児美術館「ベルギー王立美術館コレクション ベルギー近代絵画のあゆみ」行ってきました~

10/25まで、東急文化村でやってた「ベルギー幻想美術館 クノップフからデルヴォー、マグリットまで

が、版画を中心とした渋いラインナップなのに対して、こちらは東急文化村の展覧会とのダブリに配慮したのか、1910年代のフォーヴィスムまでの、色彩と光が豊かな絵が集まってました。

19世紀末にフランスの印象派の絵がベルギーに紹介されると大好評を博し、そこからベルギー独自の印象派が展開。のちにリュミニスム(光輝主義)とゆー独自の作風も生まれたそうです。

後期印象派の作風(点描とか、モネ的モヤモヤ?とか)も導入されたけど、ベルギーの画家たちは、以前からの写実的な描き方を捨てず、絵の形態が光の中に溶け込んじゃうところまでは行かなかったんだとか(だからわかりやすい絵が多いです)。

この辺は北欧なんかでも、画家も音楽家も精神的にはロマンティックなものを抱いたまま、印象派~表現主義的な手法で作品を作っていったのに似てますね。
フィンランドでいえばシベリウスの4番とか6番みたいな音楽とか、国民画家アクセリ・ガッレン-カッレラの絵とか。

またベルギーとフランスの印象派の絵の比較は、私にはドビュッシーと(ジョゼフ)ジョンゲンの音楽の対比を連想させました。「月の光」や「亜麻色の髪の乙女」や「牧神の午後の前奏曲」が好きな人は後期のドビュッシーを聴くのが(たぶん)大変なんでしょうが、ジョンゲンはドビュッシーの初期のロマンティックな味のまんま1953年まで長生きした、私の大好きなベルギーの作曲家であります。

それに、何といっても北方の落ち着いた光ですね~。
私は北陸生まれなのか、ほの暗い空や海の光って「海の若大将」みたいな世界よりダンゼン好きなんです。

では気に入った絵の感想を展示順に~

●ジェニー・モンテイニー「冬の下校」

珍しい題材ですね。女性画家らしく、ちょっとアメリカのメアリー・カサットみたいに目線が優しくて身近な感じ。

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●ジェームズ・アンソール「キャベツ」

彼が美術学校を出た頃の若いときの作品。
後年の怪しいカーニバル風な絵よりずっと好きになっちゃいました。実物は量感も色彩力もすんばらしいです。

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●エミール・クラウス「ロンドンの眺め」

クラウスはのちにベルギーのリュミニスム(光輝主義)の牽引者になった画家だとか。これは「テムズ川の光の反射」という連作のひとつ。
モネがロンドンで描いた一連の絵の影響があるそうですが、まあそれは私にはどうでもよくて、画面に映しとらえたリアルな(過度にモヤってない)光の反射の描写に陶然としちゃいました。

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●アルベルト・バールソン「ゲントの夜」

1.5m平方くらいの大きな絵で、いちばん何度も見入った絵のひとつです。
(絵の前にソファがあるのでゆっくりぼんやり観賞できますよ)
夜の暗い青さと灯のオレンジがウツクシイです~
ジャンクがいたら「支那の夜」になりそうな。

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●イジドール・ヴェルヘイデン「昼食」

この絵は1905年に描かれてますが、典型的に「印象派の手法で描いたリアリズム」の絵かも。こういう手法が、のちのクノップフやデルヴォーみたいな「幻想的だけどきっちり描く」絵の流れにつながるのかも。
おしゃまな女の子+お茶+お菓子+器の青、と、役者がそろったもーたまんない逸品です(ロリにあらず)。絵の中のお菓子ってなんかおいしそうで。

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●ヴィレム・パーレルス「ピアノのある室内」

「ブラバント・フォービスム」の一員だった絵描きさんだそうですが、うーむこれでもフォービスム? やっぱり形態や奥行きを犠牲にせずに鮮やかに描くところがいいな~。実物はほんとに色が前に出てくる感じです。
というか、ピアノ1台が画面をどーんと占めてる絵って、不勉強にして私は初めて見ました。

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***

派手に宣伝してないんで忘れられそうな展覧会ですが、よかったらぜひどうぞ~
見終わったらきっと、デパ地下でベルギーのおいしいお菓子が買いたくなってくるかも?
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2009.11.25 Wed l アート l COM(4) TB(0) l top ▲

コメント

いいですね。
ベルギー絵画はそのようなテーマで見ていませんでしたのでご紹介ありがとうございました。見た感じどれも透明感がありますね。
2009.11.27 Fri l 楽多郎. URL l 編集
きれいですね
僕の好きなタイプの絵ばかりです。僕は絵も音楽も印象派が大好きです。
音楽との対比はおもしろいですね。ジョンゲンは管弦楽のための3部作と歌曲集が収められたCDを持っていますが大変気に入りました。他の作品も聴いてみたいものです。
2010.01.20 Wed l カエル. URL l 編集
No title
カエルさま

辺境にまでお越しいただきありがとうございます!
ジョンゲンはLPから含めてずいぶん買いましたが、いまだに「しまった~!」という駄曲がありません。

>管弦楽のための3部作と歌曲集が収められたCD

おそらくCYPRESのCDでしょうか。

CYPRESの一連のCDやPAVENEの弦楽四重奏、ピアノ曲集などはどれも買いですね。
私とヨンゲンとの出会いは、Gary Stegall というピアニストが弾いたピアノ作品集のCDでした(米Klavier)。
2010.01.20 Wed l ureure. URL l 編集
ありがとうございます
>おそらくCYPRESのCDでしょうか。

その通りでございます。

ジョンゲンの情報提供ありがとうございます。参考になりました。
2010.01.20 Wed l カエル. URL l 編集

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